よくあるご質問(Q&A)
- Qボールが当たっただけでも、救急を受診した方がよいのでしょうか?
- A
症状の出方によっては早急な受診が必要です。見え方や痛みの強さが判断の目安になります。
- Q家でできる応急処置はありますか?
- A
ありますが、「やってはいけないこと」を避けることが最も重要です。
- Q学校や保育園で起きやすい事故は、重症になりやすいのですか?
- A
多くは軽症ですが、見逃すと問題になる外傷も含まれます。
1. まず確認したい「赤旗サイン」
目の外傷では、「様子を見てよいもの」と「すぐに医療機関で評価すべきもの」を分けて考える必要があります。次のような症状が一つでもある場合は、早めに救急外来または眼科を受診することが勧められます。
・見え方が急に悪くなった、ぼやける
・強い痛みが続く、または時間とともに増している
・まぶしさが強く、目を開けていられない
・黒目の形が左右で違う、いびつに見える
・白目の出血が急速に広がっている、または出血量が多い
・目の中が赤く濁って見える
・吐き気や頭痛を伴う
特に、打撲後に視力低下や強い痛みが出る場合は、眼内出血や網膜への影響を否定できません。外見上の傷が軽そうでも、内部の障害が隠れていることがあります。
2. 応急処置で「やってはいけないこと」
目をケガした直後は、慌てて何かをしたくなりがちですが、次の行為は避けてください。
・目をこする
・圧迫する
・自己判断で市販の目薬をさす
・異物を無理に取り除く
・濡れタオルなどで強く冷やす
特に「とりあえず目薬」は危険です。外傷の種類によっては、使用すべきでない成分が含まれている場合があります。
応急的にできることとしては、
・清潔なガーゼやハンカチで軽く覆う
・強く触らないよう安静にする
・異物が入った可能性がある場合は、無理に取らず受診する
といった対応にとどめます。
3. 学校・保育園で多い事故のパターン
子どもの目の外傷は、日常の中で突然起こります。よくある状況としては、
・ボールが顔に当たる
・木の枝や遊具が目に当たる
・兄弟げんか、友達同士の接触
・転倒時に顔を打つ
などが挙げられます。
これらの多くは軽症で済みますが、当たった直後は症状が軽く、時間が経ってから問題が表面化することもあります。
帰宅後に「見えにくい」「痛い」と訴え始めた場合は、受診をためらわないことが大切です。
4. 白目の出血はどこまで心配すべきか
白目が真っ赤になる出血は、結膜下出血と呼ばれることが多く、痛みや視力低下を伴わない場合は、自然に吸収されることがほとんどです。
ただし、
・打撲が強かった
・出血範囲が急速に広がる
・痛みや見えにくさを伴う
といった場合には、他の外傷が隠れていないか確認が必要です。
見た目のインパクトだけで判断せず、症状全体で考えることが重要です。
5. 外傷をきっかけに見え方が変わることはあるのか
目のケガのあとに、
・以前よりピントが合いにくい
・左右で見え方が違う
と感じることがあります。
外傷そのものが近視や乱視を直接進行させると断定することはできませんが、
角膜や水晶体への影響、眼内の炎症などによって、屈折状態が一時的、または持続的に変化することはあります。
そのため、ケガのあとに見え方の変化が続く場合は、視力や屈折の再評価が重要になります。
6. 迷ったときの考え方
「これくらいで受診してよいのだろうか」と迷う場面は少なくありません。
判断に迷う場合は、
・視力低下があるか
・痛みが強いか、続いているか
・時間とともに悪化していないか
を基準に考えてください。
目の外傷は、早期に評価することで防げる問題が多い分野です。
迷ったときに相談すること自体が、過剰になることはありません。
参考文献
[1]Kanski JJ, Bowling B. Clinical Ophthalmology: A Systematic Approach. Elsevier.
[2]American Academy of Ophthalmology. Eye Trauma: Initial Evaluation and Management.
[3]Mowatt L, et al. “Ocular trauma in children.” Clin Ophthalmol.

