よくあるご質問(Q&A)
- Q学校健診で異常がなければ、片目だけ悪い可能性は低いのでしょうか?
- A
必ずしもそうではありません。左右差がある場合、健診では見逃されることがあります。
- Q家庭でできる簡単なチェック方法はありますか?
- A
片目ずつ隠して見え方を確認する方法が、初期の気づきにつながることがあります。
- Q片目だけ悪い状態を放置すると、どのような影響がありますか?
- A
視力発達だけでなく、学習や運動にも影響する可能性があります。
1. なぜ「片目だけ悪い」は見逃されやすいのか
子どもの視力低下というと、「両目が悪くなる」イメージを持たれがちです。しかし実際には、片目だけ見えにくい状態は珍しくありません。
この場合、見えやすい方の目が自然に補うため、日常生活では大きな不便を感じにくくなります。
学校健診では、
・短時間の検査
・左右差を深く掘り下げない形式
で行われることが多く、片眼性の異常は見過ごされることがあります。
そのため、「健診では問題なかった」という安心感が、発見を遅らせる要因になることがあります。
2. 家でできる「片目ずつ」セルフチェックの基本
家庭でできる簡単な方法として、片目ずつ隠して見え方を確認するというチェックがあります。
方法はシンプルです。
・片方の目を手で軽く隠す
・テレビや本、壁の文字などを見せる
・「見えにくくない?」「ぼやけない?」と聞く
このとき重要なのは、
・両目を同じ条件で確認する
・誘導的な聞き方をしない
・嫌がる場合は無理に続けない
という点です。
片目を隠したとたんに、
・嫌がる
・顔を近づける
・「見えない」「分からない」と言う
といった反応があれば、左右差が存在する可能性があります。
3. 日常行動に現れやすいサイン
片目だけ視力が低下している場合、行動に微妙な癖が現れることがあります。
テレビを見るとき
・いつも同じ方向から見る
・顔や体を傾ける
・片目を細める、つぶる
スマートフォンやタブレット
・画面に極端に近づく
・特定の角度でしか見ない
本やノート
・頭を傾けて読む
・行を飛ばしやすい
・集中が続きにくい
これらは、見えやすい方の目を優先的に使おうとする無意識の行動と考えられます。
4. 片目だけ弱視・乱視・斜視がある場合の特徴
片眼性の視力低下には、いくつかの原因があります。
片眼性弱視
片目の視力発達が十分に進まない状態です。
本人は「普通に見えている」と感じていることが多く、発見が遅れがちです。
片目を隠すと強く嫌がる場合があります。
片眼の乱視・屈折異常
左右で見え方が大きく異なると、片目だけぼやけたり、文字が歪んで見えたりします。
学習時の疲労や集中力低下につながることがあります。
斜視を伴う場合
片目が正しく対象を向かないことで、脳がその目の情報を使わなくなることがあります。
結果として、弱視を合併することもあります[1]。
これらはいずれも、早期発見・早期対応が視力発達に大きく影響する状態です。
5. 早期発見が学習や運動に与える影響
視力は、学習や運動の基盤です。
片目だけ見えにくい状態が続くと、
・文字を読むスピードが遅くなる
・黒板が見えづらい
・距離感がつかみにくい
・ボール運動が苦手になる
といった影響が出ることがあります。
一方で、適切な時期に発見され、
・眼鏡による矯正
・弱視治療
・斜視に対する管理
が行われると、視力発達の改善が期待できます[2]。
「気のせいかもしれない」と思う段階での気づきが、結果的に子どもの負担を軽減することにつながります。
6. どのタイミングで眼科に相談すべきか
次のような場合は、眼科での評価を検討することが勧められます。
・片目を隠すと強く嫌がる
・左右で見え方の差を訴える
・顔を傾ける癖が続く
・片目をつぶる行動が頻繁
・学校健診で再検査になった
・家庭でのセルフチェックで違和感があった
眼科では、視力だけでなく、屈折、両眼視、眼位などを総合的に評価します。
家庭でのチェックはあくまで“気づきのきっかけ”であり、診断に代わるものではありません。
参考文献
[1]Holmes JM, Clarke MP. “Amblyopia.” Lancet.
[2]Repka MX, et al. “Effect of treatment of amblyopia on educational and motor outcomes.” Ophthalmology.

