よくあるご質問(Q&A)
- Q白目がくすんで見えるのは、寝不足やメイクのせい?
- A
寝不足も影響しますが、実際には“涙膜の乱れ”や“結膜の炎症”など、眼表面の状態の変化が最も大きく関わっています[1]。
- Q白目の黄ばみは治せる?
- A
原因によります。乾燥や軽い炎症なら改善しますが、紫外線や加齢で結膜が厚くなる「瞼裂斑(けんれつはん)」は、化粧や市販薬では変化しません[2]。
- Qくすみの中に“受診すべきサイン”はある?
- A
長期間続く赤み、片目だけの黄ばみ、ゴロゴロ・痛み・涙の減少を伴う場合は、眼科的な異常が隠れている可能性があります[3]。
1. 白目の“透明感”は美容ではなく眼の健康で決まる
「白目の透明感を上げる」「白目を白くするコスメ」など、
美容分野では“白目=美の要素”として扱われることが増えています。
しかし実際には、白目の色味は
- ・涙(涙膜)の質
- ・結膜の炎症の有無
- ・結膜の厚み・変性
- ・血管の拡張
- ・紫外線や環境刺激
といった眼表面の生理学的変化で左右されます[1]。
つまり、白目がくすんで見えるのは、
化粧の仕上がりでも、体調の“印象”でもなく、“眼のコンディションそのもの”の反映なのです。
2. 白目がくすんで見える主な理由
白目は単純に“白い膜”ではなく、結膜(透明な膜)・強膜(白い組織)・その上の涙膜で構成されています。
どこか一つが乱れると、白さや透明感が低下します。
① 涙膜の乱れ(乾燥・瞬目不足)
涙膜(油層・水層・ムチン層の三層構造)は、白目に“艶と透明感”を与える役割を持ちます。
スマホ・エアコン・瞬きの減少によって涙膜が不安定になると、
- ・光が乱反射する
- ・表面が曇って見える
- ・くすんだ印象になる
という変化が起こります[1]。
現代生活で最も多い“白目のくすみ”の原因です。
② 結膜の炎症(アレルギー・乾燥・刺激)
アレルギー性結膜炎やドライアイの炎症では、結膜の血管が拡張し、
- ・うっすら赤い
- ・にごって見える
- ・黄みがかって見える
など、化粧でも隠せない“眼科的なくすみ”が生じます[2]。
慢性の炎症が続くと、結膜が厚くなり、さらに濁って見えることもあります。
③ 紫外線と加齢による結膜の変化(瞼裂斑:けんれつはん)
白目が黄色く見える原因で最も多いのが、
瞼裂斑(けんれつはん)と呼ばれる結膜の加齢性変化です。
これは、
- ・紫外線
- ・乾燥
- ・摩擦
- ・コンタクト刺激
が長年積み重なって結膜が厚くなり、強膜に黄色〜クリーム色の変化を生じる現象です[2]。
一般にはあまり知られていませんが、臨床では非常に頻繁に見られます。
片目だけ黄ばむことも多く、美容的な悩みとして来院する人もいますが、
化粧品では改善しない“医学的変化”です。
④ 睡眠不足・ストレスによるくすみ
睡眠不足のときに白目が濁って見えるのは、
- ・涙の分泌低下
- ・自律神経の乱れで血流が増える
- ・汚れが涙で流されにくくなる
という眼表面の変化が理由です[4]。
「寝不足=くすむ」は正しいのですが、
寝れば治るほど単純なものではないケースが多いのです。
と感じますが、子どもの脳にとっては“自然な選択”である場合も珍しくありません。
3. くすみの中で“受診すべき”サインとは
白目のくすみは“日常のコンディション”の範囲で起きることも多いですが、次のような場合は眼科受診が必要です。
- ・片目だけ強く濁る・黄ばむ
- ・くすみが数週間以上改善しない
- ・ゴロゴロ・異物感・痛みがある
- ・まぶたの腫れ・かゆみが続く
- ・乾燥・赤みが慢性化
- ・コンタクト装用で悪化する
- ・充血が慢性化している
特に片目だけの変化は、
結膜の変性・炎症・涙の質の偏り
など、医学的原因が隠れている可能性があります[3]。
4. 白目を“きれいに見せる”ためにできること
肌と同じで、白目も“ケアすれば変わる部分”です。
見た目を整えるには、まず眼表面の環境改善が必要です。
- ・スマホ長時間を避け、20-20-20ルールを活用
- ・エアコンの風が直接当たらない環境にする
- ・まばたきを意識する
- ・コンタクトの装用時間を見直す
- ・目をこすらない(最も悪化要因)
- ・紫外線対策(帽子・サングラス)
- ・アレルギー症状を放置しない
涙膜が整い、結膜の炎症が落ち着くと、
白目は自然に“澄んで”見えるようになります。
市販の“白目を白くする”目薬よりも、眼表面の状態を整えるほうが長期的には効果的です。
参考文献
[1]大鹿哲郎『眼科学 第4版』文光堂, 2022
[2]日本眼科学会「結膜疾患の基礎知識」
[3]日本ドライアイ研究会「ドライアイ診療ガイドライン」
[4]日本眼科医会「生活習慣と眼の健康」

